★境港市観光協会会長 桝田知身が選ぶマイベストテン
(順不同)★○晩飯も 貧乏神で ダシをとり なべ
デフレ、不況、派遣切り、貧乏神が我が国に蔓延っている。その貧乏神でダシをとる、という発想が面白い。貧乏神でつくった「ダシの素」を売り出し、観光協会の“収益事業”にしても・・・・・・・あまり売れそうにないか。○夜が更けて 妖怪らしく 妻迫る 鈴木誤差
「妻が妖怪らしく迫る」というのは、どういう迫り方をするのか、よくわからないけれど、なんとなくおかしいデスネ。ただし、夜が更けて、グッスリ眠っているときに「迫られても」困るような気がするけど・・・・○いいとこで 夢が覚めたと 獏怨み 夢精子
片想いの夢を遂げられないところが「夢」なわけで、それはそれで趣があると思わなければいけません。獏を逆恨みするのはやめましょう。○振動を 家鳴りのせいに する新婚 中年やまめ
自分のせいにされて、苦笑いする「家鳴り」の表情を想像するとおかしい。まてよ、ひょっとすると妖怪「家鳴り」の正体は、新婚さんだったのか。○すねこすり セレブ母から 鳩(九)億円 美桜パパ
「すねこすり」がセレブな母親から、鳩(九)億円も「すねを齧った」という句。そういえば、どこかの国の名前に鳩のついた首相が「知らないうちに九億円も、すねを齧らされていた」と弁明していたけど、庶民には理解デキナーイ! 鳩と九を掛け言葉にし、痛烈な風刺を効かせた。名作というべきか。○午前様 家鳴りもそっと 知らぬ顔 妖静
呑みすぎて午前様になってしまった。「ろくろ首の」女房はおそらく寝たふり。そういうキビシイ状況の中で、そっと知らぬ顔をしてくれる「家鳴り」。ほんと、優しい気配りだね。○漬物に 子なきジジイを 乗せてみる デリシャス!
こなき爺は抱きあげると、にわかに重くなり50貫にもなる。そのこなき爺を漬物石にするという発想がユニークで面白い。さぞや、その漬物は「デリシャス」だろうね。○サトリにも 解せぬ乙女の 恋心 自分でもわからない
人間の心を見通すサトリでも、乙女の恋心は解せない! 微妙というか、とりとめがないというか、「自分でもわからない」乙女心。さすがのサトリもお手上げですね。困惑したサトリの顔を想像するとおかしい。○いそがしも ともに寝そべる お正月 汐海 岬
のんびりとした「寝正月」。いそがしも、ともに寝そべるというところがなんともおかしい。わたしどもの観光協会も忙しくてね、正月くらいしかゆっくり休めないんですよ。○床屋代 浮かし続けて 毛羽毛現 ハゲオヤジ
貧乏神でダシを取らなければならないほどの苦しい生活。散髪しなくても死ぬことはないよね。でもって、「浮かし続けた」結果、毛羽毛現になった。毛羽毛現の毛むくじゃらの顔を思い浮かべると思わず笑ってしまう。